昨日の例題では金利スワップの時価は500千円、と問題に与えられていましたが、算定方法が金融商品実務指針の102項2に載っています。
「類似する取引に気配値のないデリバディブ取引については、将来キャッシュフローを見積もり、それを適切な市場利子率で割り引くことにより現在価値を算定する」
金利スワップの場合、決算日の仕訳で金利スワップの増減を認識するので、その時点での割り引き現在価値を出します。
たとえば、対象資産の支払金利と金利スワップ契約の想定元本にかかる受取金利がLIBOR+1%なら決算日時点のその利子率で、翌年の受取利息と支払利息を割引き、その差額が金利スワップの時価となります。
実際に計算してみます。
以下の、変動金利を固定金利に変換するための金利スワップ取引の場合
<借り入れ>
借入額 : 1000万円
返済期間: 2年
支払金利: LIBOR+1%(1月1日の金利を基準に年1回同年12月31日後払)
<金利スワップ>
想定元本: 1000万円
契約期間: 2年
受取金利: LIBOR+1%(1月1日の金利を基準に年1回同年12月31日後払)
支払金利: 固定3%(年1回後払い)
<LIBOR時価>
1月1日時点・・・・・1.8%
12月31日時点・・・2.3%
この場合の12月31日の金利スワップの時価を算定してみます。
・将来キャッシュインフロー(受取利息の現在価値)
(1000万×3.3%)/1.033=319457.88
・将来キャッシュアウトフロー(支払利息の現在価値)
(1000万×3%)/1.033=290416.26
アウトフローよりインフローの方が29041.62大きくなるので、これが金利スワップの時価となります。
ちなみに昨日の例題の500千円という金利スワップ時価は、決算日時点のLIBORが与えられていないため計算で出すことはできません。
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