2009年12月11日金曜日

分配可能額の算定方法

分配可能額の算定については本当に、本当に、最初読んだとき戸惑いました。なんってややこしいんだ!と。

算定方法については、いろいろなサイトで解説されています。

新日本有限責任監査法人のサイト
http://www.a2msn.jp/portal/commentary/cl/f_repo/06/story/01.html

この記事でぼくが書いておくことは、細かい算定方法ではなく、自分が問題を解いているうちに、やっとわかってきた、自分なりの分配可能額の解釈です。

自分なり、ですので理論的に正しいかどうかは保証できませんが(^^;


まず、基本は前年度のBSを基に、配当を決めるという点です。

配当は分配可能額を超えることはできません。

分配可能額はBS上の剰余金に増減して算定します。本当にざっくり言ってしまえば剰余金から自己株式を全て除いたらほとんど分配可能額です。(他にもいろいろありますが、自己株式がらみの規定やたら多いので、問題を解く上での感覚的には実際、自己株式が一番メインになると思います。)

算定の順序は以下のとおりです。


1.会社法446条第1項、最終事業年度の末日の剰余金を算出します

要するに、前期の剰余金です。会社法にはいろいろ書いてありますが、結局、その他資本剰余金とその他利益剰余金の合計額です。


2.会社法446条 株式会社の剰余金の額を算定

1で算定した剰余金から会社法で定められたその他の科目を増減します。


3.会社法461条2項 分配可能額の算定

2で算定した剰余金からさらに増減して分配可能額を算定します。

結局、1で算定した剰余金から、自己株式を除く、というのが大きなポイントです。
自己株式処分差損益はどうするだの、処分対価を減産するだの帳簿価額を減算するだのといろいろと書いてありますが、結局自己株式および、当期中に売買した自己株式に係る対価や利益などは全て分配可能額から除かれます。

憶えておかなければならないのは、決算時から剰余金の配当時までの期間での取引で利益や損があっても分配可能額は変動しない、ということです。

もう1つ憶えておかなければならないのは、臨時決算についてです。
臨時決算をした場合、前期末決算時点から臨時決算時点までの間の利益および、自己株式処分対価は分配可能額の増加として認識します。

ぼくはこれが理解不能でした。利益はともかく、全て消去した自己株式までなぜ認識することになるのか・・・・。

でも、考え方を逆にしたら簡単に憶えられました。つまり、臨時決算した場合の利益と自己株式処分対価を分配可能額として認識するのではなく、前期の決算時点以降の利益と自己株式処分の取引を分配可能額に含めて配当金を決定したときは、臨時決算をして中間の利益を確定させる必要がある、ということです。

結局、なぜ、通常前期末の決算時点以降の損益を分配可能額に算入できないかといえば、その額が決算及び株主総会を経て確定していないからであり、中間決算、及び株主総会で承認さえされれば額は確定し、分配可能額に含めてもよいというわけです。

さて、次の記事では、分配可能額の計算と切っても切り離せないのれん等調整額について書いておこうと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿