2010年1月3日日曜日

合併の問題の解き方

今日は、ざっくりと合併の問題の解き方をメモしておきます。時間があれば、株式交換、株式移転についても書こうかと。

さて、早速、解く順序です。

1.取得か持分の結合か判定する

2.合併仕訳

これだけです。

まあ、これだけですが、実際解くとなるといろいろありますので、以下にメモしておきます。

 まず、1の判定の仕方です。
問題に書いてあれば楽ですが、書いてない場合もあります。書いてない場合、持分の結合に該当するかどうかを判定します。

持分プーリングに該当するためには以下の三点を満たしていないといけません。

1・結合の対価が議決権のある普通株式であること
2・結合後の結合会社および被結合会社の議決権比率がおおむね55:45~45:55の範囲
3・(2)以外の支配関係を示す一定の事実が存在しないこと

1や3は問題文からわかるでしょうが、2は計算する必要がある場合があります。
計算式は以下の通り。

議決権比率(%) = 保有株式数 ÷ (発行済株式総数 - 自己株式数 - 単位未満株式数 - その他議決制限株式数)

例えば以下の場合

A社発行株式数10,000株 自社株800株 A社の保有するB社株200株
B社発行株式数8,000 株 自社株400株
合併比率1:0.5

上記の場合は
旧A社株主の議決権比率
(A株10000-A自社株800)/(A株10000+※2900)=71.31%

旧B社株主の議決権比率
(B株8000-A保有B株200-B自社株400)×0.5/(A株10000 +※2900)=28.68%

※(8000-200-400)×0.5=3700
3700-自己株式交付数800=2900

(A株10000 +※2900)の部分は、合併後会社の発行済株式数になります。
この場合、議決権比率を満たしていないため、取得と判定されることになります。

次は2の合併仕訳です。
取得と判定されれば、パーチェス法、持分の結合なら持分プーリング法です。

以下に書くことはパーチェス法が前提です。

取得と判定された場合、取得の対価の算定時、以下に注意です。

・外部アドバイザーや公認会計士になど合併結合を成立させるために直接要した支出額は取得額に含める。ただし、被取得企業が支出した額については取得企業の支出ではないため、それらを取得原価に含めることはできない。

・株式交付費は取得原価に含めず、別途、株式交付費として処理。株式交付費は繰延資産とすることができる。三年以内償却。

また、先のA社がB社の株式200を持っています。これが合併前に単独財務諸表上時価で算定されている場合、その時価評価は取消ます。(関連会社株式は時価評価ではなく取得原価で計上するため)

例えば、200株の取得原価が17000で、帳簿価額が26000。その他有価証券評価差額金が9000計上されている場合、

その他有価証券評価差額金 9000 / 投資有価証券 9000

と仕訳します。


B社の退職給付引当金で未認識数理計算上の差異がある場合その金額はB社単独の財務諸表上の退職給付引当金の金額から増減させます。(つまり、退職給付引当金を時価評価しなおす)

また、被取得会社において合併後短期間で発生することが予測される損失のうち、その発生の可能性が取得の対価の算定に反映されれれている場合には「企業結合にかかる特定勘定」として負債として認識します。

 のれんの金額の算定については取得の対価からB社の資産及び負債の合計額(純額)を減額して計上します。

取得会社と被取得会社で債権と債務がある場合は相殺する。それにかかる貸倒引当金 も調整する必要がある。


さて、以下からは持分プーリングの注意点ですパーチェス法と処理の異なる処理の方法があるので注意します。

被取得会社が持っている自社株式は、その他資本剰余金と相殺します(つまり自己株式は償却する)。

取得会社と被取得会社で退職給付引当金の会計基準変更時差異の費用処理年数が異なっていても統一する必要はない。

合併に要した支出額は「発生時の事業年度の費用として処理」する。これには株式交付費も含まれる。パーチェス法とは違うので注意が必要。繰延資産にすることはできない。

取得会社と被取得会社で債権と債務がある場合は相殺する。それにかかる貸倒引当金 も調整する必要がある。

持分プーリングの場合、のれんは発生しない

0 件のコメント:

コメントを投稿